菖蒲という青いもの

初夏の青青しい香り


日に日に暑く
湿度も上がり
体が追いついていかない

暦では立夏を迎えて
いろいろな準備が始まる時

体を休める湯船に菖蒲の葉を浮かべて
その青く少しツンとした夏の香りを味わう

身体中のセンサーが
まだ冬眠から寝ぼけている時に
五感に訴えることをするのって
とても気持ちいい

目で味わい
香りを味わい
肌触りを味わう

日の入りも長くなったこの時期に
少し明るいうちから贅沢を

あえて目を閉じてみると
香りが湯気に乗って際立ってくる

すうっとした青みのある独特の香り

滋養健康にと効用がどうとかよりも
彼らとの会話が有り難い

静かだけれどもとても力強く
私たち生身の人間にとって
一つの入り口でもある

 

しばし体を休め
忙しない日々への労りを

彼らはいつもそばにいる
そんな彼らと過ごせることに感謝しつつ