諫早の土の魂に触れながら

土という素材は
おそらく世界中で手に入れやすいもの

もちろん水上生活を
送っている人たちは別だけど

どんなところも土の上に建物がある
そして昔からこの土を使って
構築物を人類は作ってきた

今も日干しレンガで
家を作る地域もある
日本だって土壁がある


そして究極は
土だけを固めた
版築というもの

構造体としては
地震の揺れには弱いので
難しいけど

土ゆえに補修もしやすい


メンテナンスさえすれば
ちゃんと使える

それよりもこの土のもつ
神秘性には心揺さぶられる

世界中で土の色も匂いも違う
もちろん日本であっても

その地域であっても微妙に違う

その土地の土は
その土地の情報をすべて蓄えている

それと同じくその土は
生きている

暑い夏には冷やしてくれるし
寒い冬には温めてくれる

湿度をコントロールしてくれるし
優しい眼差しをあなたに送ってくれる

大丈夫
あなたはそれで大丈夫だと

その優しさ
母なる愛大地のもつその愛の懐の深さ

これにかなうものがあろうか?

もちろんある局面では
木が勝り金属や水が勝る


しかしこの安定感は
他には得がたい魅力がある

それは石とて同じだけど
土のもつ可塑性はたのしい
暑くてもひんやり冷たく
そしてあたたかい

素材との対話をしながら
その土地の魂のありかに
触れた感がある版築の出来事